
(マタイ26:63-65)
「しかし,イエスは黙っておられた。
それで,大祭司はイエスに言った。
『私は,生ける神によって,
あなたに命じます。
あなたは神の子キリストなのか,どうか。
その答えを言いなさい。」
(63)
イエスは彼に言われた。
『あなたの言うとおりです。
なお,あなたがたに言っておきますが,
今からのち,人の子が,
力ある方の右の座に着き,
天の雲に乗って来るのを,
あなたがたは見ることになります。』
(64)
すると,大祭司は,
自分の衣を引き裂いて言った。
『神への冒涜だ。
これでもまだ,証人が必要でしょうか。
あなたがたは,
今,神をけがすことばを聞いたのです。』」
(65)
「あなたは神の子キリストなのか,どうか」
と大祭司は尋問します(63)。
イエスは,
「あなたの言うとおりです」(64)
と答えます。
直訳すると「あなたが言った」であり,
「それはあなたの言うことである,
わたしはそのような言い方はしないが,
しかしあなたの言うことを否定はしない」
との答えです。
そして,イエスはつぎのように言います。
「人の子が,
力ある方の右の座に着き,
天の雲に乗って来る」
(64)
「人の子」とは,
イエス・キリストご自身です。
キリストとして,
もう一度来るといったのです。
ダニエル書の預言です。
大祭司のカヤパは,
受け入れませんでした。
カヤパは「衣を引き裂いて」怒りと
拒絶を表現し,
それを「冒涜」と宣言しました。(65)
大祭司の審問は,
イエスがキリストであり,
再臨の主であることを宣言する
機会となりました。
○
「神の子」とは,イエス・キリストに対する
メシヤ的称号です。
父なる神に対して子としての独自の関係を
持っていることを示し,
神性を備えていることを意味しています。
「キリスト」とはギリシャ語です。
「油注がれた者」の意味です。
祭司や王にも用いられました。
特にダビデに
永遠の王座が約束されてからは,
ダビデの血統から出る
偉大な救い主と考えられました。
新約では,
イエスの称号として用いられました。
2021-01-16