裏切られ,逮捕される
(ヨハネ18:5a)
「彼らは,
『ナザレ人イエスを。』と答えた。
イエスは彼らに
『それはわたしです。』と言われた。」
イエスは弟子のユダに裏切られ,
逮捕されます。
このとき,イエスはご自身を
「わたしです。」と証言します。
「わたしです」は,
直訳では「わたしはある」です。
神の名とみなされます。
「わたしである」ということばは,
旧約聖書の次の箇所を踏まえています。
(出エジプト3:14)
「神はモーセに仰せられた。
「わたしは,
『わたしはある。』という者である。」
また仰せられた。
「あなたはイスラエル人に
こう告げなければならない。
『わたしはあるという方が,
私をあなたがたのところに
遣わされた。』と。」」
☆彡
(ヨハネ18:1-11)
18:1 イエスはこれらのことを
話し終えられると,
弟子たちとともに,
ケデロンの川筋の向こう側に
出て行かれた。
そこに園があって,
イエスは弟子たちといっしょに,
そこにはいられた。
18:2 ところで,
イエスを裏切ろうとしていたユダも
その場所を知っていた。
イエスがたびたび弟子たちと
そこで会合されたからである。
18:3 そこで,ユダは一隊の兵士と,
祭司長,パリサイ人たちから
送られた役人たちを引き連れて,
ともしびとたいまつと武器を持って,
そこに来た。
18:4 イエスは自分の身に起ころうとする
すべてのことを知っておられたので,
出て来て,
「だれを捜すのか。」
と彼らに言われた。
18:5 彼らは,
「ナザレ人イエスを。」と答えた。
イエスは彼らに
「それはわたしです。」と言われた。
イエスを裏切ろうとしていたユダも
彼らといっしょに立っていた。
18:6 イエスが彼らに,
「それはわたしです。」と言われたとき,
彼らはあとずさりし,そして地に倒れた。
18:7 そこで,イエスがもう一度,
「だれを捜すのか。」と問われると,
彼らは「ナザレ人イエスを。」と言った。
18:8 イエスは答えられた。
「それはわたしだと,
あなたがたに言ったでしょう。
もしわたしを捜しているのなら,
この人たちはこのままで去らせなさい。」
18:9 それは,
「あなたがわたしに下さった者のうち,
ただのひとりをも失いませんでした。」
とイエスが言われたことばが実現するためであった。
18:10 シモン・ペテロは,剣を持っていたが,
それを抜き,大祭司のしもべを撃ち,
右の耳を切り落とした。
そのしもべの名はマルコスであった。
18:11 そこで,イエスはペテロに言われた。
「剣をさやに収めなさい。
父がわたしに下さった杯を,
どうして飲まずにいられよう。」